2007年10月10日アーカイブ
高田は、雪の街である。
冬になると、街全体がすっぽりと雪に覆われる。
というと、童話の世界のようだ。しかし、子どもの頃からこの冬
の季節は苦手だった。
その気持ちは、もう秋の頃から始まっていた。秋も深まると、空
の色は鉛色になり、冷たい雨が落ちてくる。
それを見ると、長い冬の始まりかあとため息をついた。そのうち
に初雪が降り、あっという間に雪が積もり、広い高田平野はすべ
て真っ白な雪原に変わる。
雪道を歩く度に雪が長靴に入り靴下を濡らした。
吹雪の日になれば、友達と会話をすることもなくただただ真っ白
な雪を踏みしめて学校にたどり着いた。
家族に日曜日はスキーに行きたいというと、雪下ろしを手伝えと
言われる。
まったく冬の季節はいいことがなかった。
高校を卒業して東京の大学に行った。
冬はまるっきり青空で、天気を心配する必要などない。
なんという快適な生活!と思ったものの、それもまた物足りなく
なり、数年前に高田に戻ってきた。
高田は、四季がはっきりしている。
「冬は雪 春桜色 夏緑 秋は紅葉となりにけるなり」と一首作
れてしまうくらいに、四季がはっきりしている。春に種を撒き、
夏に育てて秋に収穫をし、長い冬を乗り切る。昔ながらの生活様
式が、まだ高田には残っている。
そして、その生活を黙々と続ける人を心から尊敬する。
