2007年10月12日アーカイブ

裁判員制度が2年後に始まる。司法当局の多額の費用をかけたPR

も功を奏して一般の方々も関心をもってきた。

 

あいさつのついでに「裁判員制度って何ですか」「私も裁判員にな

ってみたい」と言われることがある。

 

しかし、裁判員裁判の法廷は、新潟県内では新潟の本庁だけに設置

されて、高田や長岡の支部裁判所には設置されない。

 

これは、どれだけの人が知っているのだろうか。

 

従来であれば、高田で発生した事件は、地元の警察が捜査をして、

地元の裁判所で審理がなされていた。

 

ところが、裁判員裁判が実施されるとする。

 

この裁判の対象となる事件は殺人や放火事件であるが、捜査こそ地

元でなされるものの、審理はすべて新潟の本庁裁判所でなされるこ

とになる。

 

地元の事件は、事件の教訓を地元に残すためにも、地元での審理が

なされるべきであると思う。しかし、現実に実施される裁判員制度

にはそこまでの配慮はなされていない。

 

加えて、高田のような支部地域で活動している弁護人にとっても迷

惑である。

 

捜査段階では被疑者は地元の警察で勾留され、地元の弁護士が弁護

人として就任し弁護活動をする。

 

ところが、裁判員制度が実施されると、起訴された段階で被疑者の

身柄は新潟の拘置所に移されるはずである。

 

弁護人もやむなく新潟本庁での審理に臨むこととなる。

 

高田から新潟までの交通費はいったい誰が支払いをしてくれるのだ

ろうか。

 

また、裁判員裁判は連日開廷が原則である。

 

高田の事務所を連日空っぽにすることは果たして可能だろうか。

 

高田の弁護士が裁判員裁判に臨むにはこのような問題が発生する。

 

事務所を空っぽにはできないから、公判の弁護は新潟の弁護士に担

当してもらうということになるのだろうか。

 

そうなると、捜査段階での弁護と公判段階での弁護が切り離され、

被告人にとっては迷惑である。

 

被告人の弁護という視点がないままに裁判員制度が実施されようと

しているのではないだろうか。

 

このアーカイブについて

このページには、2007年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2007年10月10日です。

次のアーカイブは2007年10月15日です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.0