2008年1月24日アーカイブ
昨日は朝からひどい吹雪だった。こたつで本でも読むか?
吹雪というと、杉みき子さんの「かくまきの歌」(童心社『かくまきの歌』に所収)だ。
「かくまき」は、毛布の肩掛けのことをいう。「厚いみじかめの毛布に、かんたん
な毛皮のえりをつけたものだ。まわりには、テーブルかけのはしっこみたいなこま
かいふさが、ぐるっとついている」
冬の生活は厳しい。雪がたくさん積もれば、屋根の雪下ろしをしなければいけ
ない。また、道に雪が積もれば道なくなる。雪の上に道をつけなければならない。
かんじきをはいて道を踏み固める。そういう時にはおるのが「かくまき」だった。
積もった雪の上をかくまきをはおった母がかんじきをはいて雪を踏み固め道をつ
けていく。その後ろを子どもたちが後にくっついて学校に向かう。こういう営みを繰
返しながら私たちは育ってきた。
『かくまきの歌』は、そういう雪国に暮らす人々の生活を描いた物語だ。ちゃ子と
いう娘が大雪の夜祖母の形見のかくまきをはおって夜道を歩いていると、死んだ
はずの老婆が姿を現すという幻想的な物語だ。文中にこういうくだりがある。
「おらのかかさま 越後の生まれ
晴れ着に かくまき着やしゃれた
かわいぼっこもかくまきそだち
寝ても起きても 雪がふる
しもやけなおって 根雪がとけて
手まりつく日は いつじゃやら
その歌を聞いているとちゃ子はずっと小さいとき、おかあさんの背中でこ
の歌を聞いた覚えがあると思った。そして、おかあさんも、おばあさんも、
そのまたおばあさんもみんな、その歌のとおりに暮らしてきたのにちがい
ないような気がした。
おばあさんの背中でくるまって、泣きねいりするときのような、あたたかさ
とかなしさとが、ちゃ子のからだをふわりと包むようだった・・・。」
杉さんは、かくまきという着物をとおして、雪国の暮らしが祖母から母、母から娘
に継がれてきたということを伝えたいのではないかと思う。
