2008年2月11日アーカイブ
朝起きたら、子どもが散歩しよう、しよう、という。どうも、昨日母親と何度も家の
界隈を歩いて楽しかったらしい。それで今日は「父ちゃんと散歩する」というのだ。
昨日はやぼ用で一日新潟に行っていた。だから、今日はのんびりしたい。仕方な
いなあと気乗りはしなかった。しかし、明け方はとても寒く感じた、しかも天気もい
い、もしかしたらと思って外へ出た。予想どおり「しめわたり」ができた。
下界で積もった雪は、2、3日もすると自然に溶けだす。ところが、その後晴天に
なり、放射冷却によって気温が極度に低下すると、とけたものが再び凍り出す。
雪で一旦溶けたものが再度凍りつき、その凍った部分が、まだ雪になっている
雪と雪とを結合する。その結合が、私たちの体重を支えてくれて、私たちが雪
の上を歩いても決して足が雪にうもらない。サンダルばきでも雪の上を歩けて
しまうのだ(とても、科学的な説明とはいえないが)。こういう雪の状態を利用し
て雪の上を歩くことを、この土地の言葉で「しめわたり」と呼んできた。
もちろん、それができるのは、早朝からお昼時くらいまでで、次第に太陽の光
に照らされて雪は溶ける。それと同時に雪の表面はゆるみ、もとの状態に戻っ
てしまう。
子どもを喜ばせるには「しめわたり」しかない。子どもを連れて雪の上を歩いた。
無数の雪の結晶が太陽の光を浴びて宝石のように輝いている。
子どもが動物の足跡を発見した。「この足跡はなあに」と言う。
本当は犬と思うが、「クマかなあ?」と適当に答える。子どもはまた喜んで「足
跡について行こう」と言う。
足跡は永遠に続く。田んぼがすべて雪におおわれている。すべての土地を独
り占めしているようで愉快だ。あっという間に1時間も歩いてしまった。
家に帰っても、子どもが「クマの足跡見つけたよ」と喜んで祖父母に伝える。大
人が思う以上に喜んでくれて、親としてはしめしめ助かったという気分であった。
