2008年4月23日アーカイブ
さてさて。高橋恵子さんからサインをもらおうと思っていたのに、関心は少し
はずれていってしまっていた。高橋さんは映画で按摩の師匠だった。当時の
視覚障害の女性が選択する道は、按摩になるか瞽女になることしかなかった
という。そういう厳しい世界を生き抜く女性のたくましさ、哀しさを高橋さんは見
事に演じきっていた。レセプションの途中、地元でエキストラで出演された方々
が交互に高橋さんのところに挨拶に行かれていた。正直、そこに割り込む勇
気もなく(だって、映画を1回見ただけだもんなあ)、時間は過ぎていった。
最後になって、市川さんが高橋さんに特別のプレゼントがあるといって登壇し
た。そして、一句を披露。
「この指で生きていくんだ、ハイ、師匠!」
「ハイ、師匠」というのは、映画でふみ子たちお弟子さんが師匠から指導を受け
た時に必ず返した言葉、この一言で修行の厳しさが思い起こされるのだ。
市川さんが高橋さんに「高橋さんにまた努力していただいて、ふみ子の海のよ
うな立派な作品をこれからもつくってもらいたい。」とエールを送ると、高橋さんも
映画の師匠になりきって「先生もこの指でいい作品を書いてください」とエールを
返した。
余韻の残る楽しい会だった。鞄には出さずじまいの映画のパンフと「ふみ子の
海」の本。まあ、いいか、と思って会場を後にした。
