2008年5月 1日アーカイブ

  ああ、3日から4連休だ。しかも、今日から、メーデー、憲法記念日、子どもの日

と庶民の祭典が続く。ああ休みたい。休んだらどこに行こうか?私はもう一度信州

上田の無言館という美術館に行ってみたい。

 

 無言館というのは、美術商の窪島誠一郎さんが、15年戦争の戦没画学生のご

遺族の方々のところに出向き、その画学生たちの遺作や遺品を収集して展示が

されている美術館だ。平成9年5月の開館である。

 館に一歩踏み入れる。画学生の残した作品群を、その脇で展示されている画学

生と家族、恋人との手紙、在りし日の写真、使い慣れた画材が、無言のナレータ

ーとして解説をしてくれる。もっと、生きて絵を描きたい、そんな怨念のような声が

絵の中から伝わってくる。

 私は、伊澤洋さんという栃木の画学生の「家族」という洋画の前に立つ。伊澤さん

の家族が少し正装をして全員でテーブルを囲み団欒をしている様子だ。生活に余

裕のある家庭を連想する。しかし、かたわらにある解説には全然異なったことが書

かれている。「弟である伊澤民介さんは「これは洋の空想画ってもんでしょうな。あ

頃のうちの家は、朝から晩まで百姓仕事に追われて、こんな生活の余裕はありま

せんでしたから。洋はきっと、心の中でこんな一家団欒の風景にあこがれていたん

でしょう」という」また、窪島さんの『「無言館」への旅 戦没画学生巡礼記』によると、

伊澤洋は、出征の前日にこの「家族」の絵を塗りつぶそうとしたという。絵の出来が

悪かったのか、理想と違う現実の厳しさに自暴自棄になってしまったのだろうか?

 伊澤は、昭和14年4月に美校に入学、その3年後に兵隊に応召され、ニューギニ

アで戦死した。

 絵を見終わって、自分が生きていることを申し訳なくさえ思う。もっと、何かできる

んじゃないかという気持ちにもなる。

 

 以上は、たしか3年前、新潟中央法律事務所の方々と合同の事務所旅行で「無言

館」を初めて訪れた時のことをノートにしたためていたものだった。当時は、前日に

温泉旅館でしこたま酒を飲み頭が2日酔い状態で何が展示されているかわからない

まま行ったので、なおさら、その美術館の放つメッセージに圧倒されてしまっていた。

 みなさんも、一度行ってみませんか?

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