2009年11月15日アーカイブ
ひろしま美術館に行った。最初に行ったのは新潟中央法律事務所の事務所旅行の時だった。午後いっぱい程度の自由
時間があったので、なんの理由もなく訪れたのが最初だった。マルク・シャガールの「私のおばあちゃん」という絵の虜にな
ってしまい、結構な時間をその絵の前で過ごした。シャガールはベラルーシのユダヤ人集落で住み、その頃の集落の様子
を幻想的なタッチで描いている。「私のおばあちゃん」も、その頃を題材にしたもので、シャガールは、毎夜絵本を読み聞か
せてくれるおばあちゃんのことがとてもスキだったらしい。「私のおばあちゃん」は、今回はなぜか飾られてなかったが、それ
もシャガールの幼年期の頃の村の風景を描いたものやルノアールなどの印象派の絵が見られてとてもうれしかった。
ところで、西洋近代の一流の画家のコレクションがなぜ、なぜ広島にあるのかとても不思議だったが、長谷川智恵子とい
う画商の『瓦礫の果てに紅い花』(WAVE出版)を読んでそのわけがわかった。井藤勲雄という広島銀行の頭取が中心とな
って絵を収集し、銀行設立100周年記念事業として美術館を設立したのだという。まさに、民間の知恵で民間の金で美術
館を一つつくったのだから驚きである。絵の収集でも「誰にもわかりやすい絵を」というコンセプトで印象派などの絵が中心に
選ばれたらしい。戦争の惨禍にあった広島市民にやすらぎをという気持ちがあったという。美術館に、人の魂が入り込んだ
とき、美術館はハコモノではなく文化遺産になるということを教えられたような気がした。本当にステキな美術館である。
