茂木健一郎「公立か私立かという風潮は教育の本質を見失っている」
茂木少年、頭はとてもよかったが、体育の出来はいまひとつだったらしい。ところが、担任の小林先生が水泳を茂木少年
に勧めたことがきっかけで、茂木少年は水泳の練習に励むことになる。夏休みに入って毎日練習するが、なかなか記録が
伸びない。悩む茂木少年に小林先生が言う。「大分疲れてきているでしょ。・・・でもね、それでも我慢して練習を続けている
と、ある時ふっと身体が軽くなって、記録がぐんと伸びるんだ。ウソだと思ったら、騙されたと思って、もう少し続けてごらん。」
その二、三日後、練習tの最中に実際身体がフッと軽くなり、茂木少年の25メートルの記録も2秒ほど短縮した。この小林
先生の教えが、どれほど自分の糧になってきたかわからないと茂木はいう。「世の中では公立はダメだとか、私立に行かせ
るのが良いという風潮があるが、そうだろうか。教育の本質を見失っていないか」。小林先生のことを思うと、教育の理想と
は結局「私塾」のようなものだと思うという。「私が通ったのはごく普通の公立小学校だったが、そこには素晴らしい「小林
塾」があった」(週刊ポスト12月11日号)
たしかに、一生懸命努力しているうちに、スッと成長することがあります。脳科学者というものだから、私には縁遠い人かと
思いましたが、なかなか本質を突く内容でかつほろっとさせるエッセイでした。週刊ポストもなかなか侮れない雑誌でありま
す。
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