2010年2月23日アーカイブ
一冊の本が、私の周辺の弁護士仲間で話題になっている。「こんな日弁連に誰がした?」(平凡社新書)というのが、それ
だ。著者は小林正啓という大阪に事務所を構える弁護士さんで、2年前の日弁連会長選挙のお手伝いをする関係で、司法
改革の経緯に関心を持つようになったのが執筆の直接のきっかけという。
骨子は、日弁連が法曹一元の理想を実現するために法科大学院、司法試験合格者年間3000人を容認したが、法曹一
元がうやむやにされたまま、法科大学院と3000人だけが一人歩きし、弁護士だけが過剰となり、日弁連は組織として滅
びの道を歩むことになった、というものだ。
果たして、法曹人口一元の理想から3000人を容認したというのは正しいのか?そもそも、アメリカや財界の規制緩和の
要求に抗しきれなかっただけではないか?著者の考えに対しては素朴な疑問もあるが、それでも、法曹人口問題が、どこ
からでてきて、当時、誰がどのような考えをもっていたのかを知ることができて有益である。というのも、司法改革という時代
を弁護士として生きながら、実際、司法改革の動きにはまったく無知だったからである。ところが、無知でも出来上がってし
まった制度(裁判員裁判、合格者増)は無知の人間を束縛する。この本で、私のような弁護士会の動きに無関心だった弁
護士も少しは目が覚めるのではないか、という気がする。
