情状証人は裁判に出席するだけで存在価値がある。
刑事弁護のほとんどは情状弁護である。
どんな事件でも、情状証人がいれば出廷して証言してもらうように努力することが、弁護人の仕事だ。執行猶予を付するこ
とが妥当な事件では特にそうだ。被告人の日常生活に注意を払ってくれる人物がいるのであれば、裁判所も少しは安心し
て被告人の身柄を社会に返すことはできるからだ。
だから、「何をしゃべればいいのでしょう?」と情状証人予定者から聞かれることがあるが、「何をしゃべっても大丈夫。出
廷することに意味があるんですよ」と答えている。裁判官も、被告人に寄り添う人のそのままの人となりを見たいのではない
かと思う。
ある事件では、情状証人で出席した父親が証人調べの時だけではなく、判決公判にまで来てくれた。被告人はもういい
大人なのだから、そこまでしなくてもいいのにと思いながら、一方では来てくれて本当にありがたいとも思う。裏切られても
まだオレはおまえを見捨てていないぞという気持ち。これが、将来の犯罪を予防してくれるのではないかと思っている。
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