ココラ53回目 時効の中断
お客さんに何度も催促してきたのですが、商品の代金の支払いをしてくれません。請求書を何回も発行していますが、時効になることはないでしょうか。
商取引の代金債権は、売買契約から5年経過で時効消滅します。
請求書を出し続けていれば時効にはならないと考えている方がたまにいますが、それは間違いです。
時効で権利を消滅させないためには時効を中断することが必要です。民法上は、①権利者が裁判上の請求をする、➁差押をする、③債務者が権利の存在を承認する場合などが時効の中断事由とされています。
設問のように請求書を自分で送りつけるような裁判外での請求の場合には、その請求から6ヵ月以内に訴訟提起をした場合に限り請求をした時点での中断が認められます。
したがって、確実に回収をしたいと考えるのであれば、訴訟提起をする必要があります。
また、時効成立まであと僅かな期間しかなく訴訟提起も間に合わない場合には、とりあえず内容証明及び配達証明の郵便で相手に請求書を送り(請求内容と請求日、相手方が書面を受領したことを証明します)、6ヵ月以内に訴訟提起をするということが必要です。
なお、相手方と直接交渉できるのであれば、債務を承認してもらう旨の書面に署名押印してもらうという手段をとることもできます。