Jack Land 相談室 上越エリア情報誌 ジャックランド

子どもが大学に進学したいというので、奨学金を利用したいと考えています。何か注意することはありますか。

子どもが大学に進学したいというので、奨学金を利用したいと考えています。何か注意することはありますか。

奨学金は給付ではなく貸与が基本

一般に利用されている日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金は貸与型になっていて、貸与が終了すれば返還しなければなりません。

また、機構の奨学金には無利子型と有利子型(年利3%)の二つの種類があります。現在では無利子型と有利子型の割合が1対3となっています。

当然、利用する側としては無利子型で申込みたいわけですが、無利子型は貸付総額の枠があり、誰もが利用できるというわけではありません。高3で無利子型を申込んだ生徒のうち、78%が条件を満たしながら不採用になっているという実情があります。

奨学金も「教育ローン」と同じ?

回収も厳しくなってきています。機構は2010年から「債権管理部」を設置し、延滞1~3ヶ月で本人や保証人などに電話で督促をしたり、債権回収会社に回収を委託したり、それでも支払がない場合には支払督促をします。今では、機構の社員が裁判所に出向くのは当たり前になっているようです。

また、2010年から、支払がされていない案件は信用情報機関に登録されることとなりました。現在までに約1万人が登録されたとのことです。

このように、機構の奨学金制度はほぼ金融機関の「教育ローン」と変わらなくなってきているというのが実情です。

現行の奨学金制度の問題点

まず、ヨーロッパでは奨学金は返す必要がない給付制が主流です。しかし、日本の場合は貸与制で、しかも有償で多少民間に比して利率が少ない程度です。

また、大学の授業料はどんどん高額化し、家計に重くのしかかります。そのため、奨学金に依存する家庭が増えています。現在奨学金を受けている大学生は5割を超えています。そして、卒業の雇用環境は回復の兆しがみえません。「大学は出たけれど」安定できず、奨学金の返還すら容易でないこともあります。

憲法は、教育を受ける権利を保障しています。奨学金は、家計の経済力に関係なく教育の機会均等を保障するために、経済的に厳しい人に資金提供をして学ぶ機会を与えるための制度です。この趣旨からすれば、現行の奨学金制度は、教育に対する国の責任を軽くし、資力に乏しい家庭や個人に重い個人責任を負担させているのではないかと思います。