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小沢一郎の公判で政治秘書の供述調書が証拠として不採用になったのはなぜですか。

小沢一郎の公判で政治秘書の供述調書が証拠として不採用になったのはなぜですか。

検察官が作成した石川知裕政治秘書の供述調書には、収支報告書に虚偽記載することを石川秘書が報告し、それを小沢が了承したとの記載がありました。そのため、この調書が証拠採用されていれば、小沢有罪の可能性もあったわけです。ところが、裁判所は2月の公判期日で、同調書の証拠採用をしない旨の決定をしていました。そのため、今回の小沢の無罪判決も、ある程度は予想されていたのです。

公判証言よりも供述調書の証拠価値が高い?

供述調書というのは、被疑者や事件関係者が述べた内容を文書にしたものです。捜査の過程で、刑事も検察官も供述調書を作成しますが、刑事裁判において、検察官の作成した調書は特に信用性が高いとされています。それは、検察官が法の専門家であり、その聞き取りの内容には間違いがないとされているからです。

そのため、裁判所の証人尋問で、証人が捜査段階で検察官に対して述べたことと違うことを供述していても、裁判所は原則として、検察官作成の供述調書を証拠として採用する傾向にあります。

供述調書の信用性を否定するには?

そのため、無罪判決を勝ち取るためには、証人に公判で被告人に有利な事実を証言させるだけではだめで、証人が捜査段階で述べた供述の信用性を否定させて、供述調書の不採用を認めさせることが必要です。

供述調書の信用性を否定する事情としては、例えば、①検察官が執拗に虚偽供述を誘導するような取調べをしていたこと、②供述者自身に真実を隠匿する事情が存在していたこと、③供述者が事件の被害者で被告人に悪感情を抱いていたことなどです。このような場合には真実を述べていない可能性があるからです。

弁護人もこれらの立証に全力を注がなければなりません。小沢事件の場合には、石川秘書が検事からの取調べを受けた時の様子を隠し録音し、それによって検事が虚偽供述を執拗に誘導したことが明白になりました。そこで、裁判所が供述調書の証拠採用をしなかったのです。

やはり、適正な裁判実現のために取調べの可視化が必要です。