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日弁連会長選挙、何度選挙しても決まらないみたいですね?

日弁連会長選挙、何度選挙しても決まらないみたいですね?

日弁連会長選挙の仕組み

そうなんです。私は現会長陣営の一員として票集めをしてきました。今度で3回目の選挙で大変です(笑)。

知事や市長などの選挙は、一般的に総得票の一位が当選します。しかし、日弁連会長の場合、総得票で一位になるだけではだめで、全国51の単位弁護士会のうち、3分の1以上の単位会で一位にならなければ当選できない仕組みになっています。これは、地方の単位会の意見を反映させようとしたものです。

選挙は、東京の大派閥推薦候補と、消費者系の弁護士グループが推す宇都宮健児現日弁連会長の一騎打ち。2回の選挙では、いずれの時も大派閥の候補が総得票でトップになったものの、3分の1の単位会を一位で制覇することができず、3度目の選挙になったのです。

しかし、やってみてわかりますが、選挙は何と言っても組織戦です。では、なぜ、大派閥の候補が勝利できないのでしょうか。

改革をめぐる東京と地方の対立

背景には、法曹人口をめぐる深刻な路線対立があります。歴代の日弁連会長は、東京、大阪の大派閥出身で、彼らは司法試験合格者の増員政策に同調してきました。

しかし、弁護士人口の急増は、弁護士の就職難をもたらし、すぐに独立せざるを得ない「即独」弁護士や、既存の弁護士事務所に間借りだけする「軒先」弁護士が出てきました。本来弁護士は、司法修習だけでは不十分で、既存の弁護士事務所で先輩弁護士とともに現場で技能を積んで、段々と一人前になっていくのです。だから、「即独」や「軒弁」は、未熟者がいきなり現場に放り投げられたようなもので、非常に由々しき事態といえます。

また、景気の長期的な低迷もあり、弁護士を必要としている需要が増加しているとはとても言えません。弁護士が急増した結果、確実に弁護士の収入は減少しています。このままでは、弁護士は収入を求めて事件にするべきでないものを「事件化」したり、弁護士同士で顧客を奪い合う事態にもなりかねません。

弁護士急増の弊害は従前から指摘されてきましたが、大派閥から推された会長は、政府や最高裁との協調路線をとり、結果として反対意見を封じ込めてきました。

そのため、大派閥に対する遺恨や怨念が地方の声なき声になり、大派閥の推す候補の当選を阻止しているというわけです。