ココラ2回目 夫婦と借金
夫の債権者から「体を売ってでも返せ」と言われました。夫のつくった借金について妻が返済しなければいけないのですか。
そんなことはありません。夫婦関係というのは終生生活を共同にしようという契約にもとづくものですが、その契約の中に夫のつくった借金を妻が負担しなければならないということまで含まれてはいません。
夫が妻に隠していた借金まで妻が責任を負うとしたら、バカバカしくて結婚なんてできません。債権者だって妻に責任を負わせたいのであれば、妻にも契約書に署名をさせればいいわけです。だから、法律は、妻という事実だけで夫の借金の肩代わりまでさせることなどは認めていないのです。
世間では、夫に借金があり、それから逃れるために離婚をしなければいけないと勘違いされる方もいますが、それは誤った考えです。
他方で、仮に妻が夫の借金について保証人になっているのであれば、離婚したとしても、保証責任を逃れることはできません。
つまり、夫の借金は貸金契約、夫婦関係は婚姻契約に基づいて発生し、両者は別々の法律問題というわけです。