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ココラ45回目 同時履行の抗弁権

ネットオークションで骨董品を購入しました。商品の引渡しの前に先に代金の支払いをしてほしいと要求されています。これに応じていいものでしょうか。

売買とは、財物の所有権とその対価である代金との交換を約するものです。
 仮に売主の要求に応じて買主が代金の支払をし、後で買主が引渡しを請求しても売主が引渡しをしない、代金も返還ないとなったら、取り返しのつかないことになります。
 そのため、売買では物の引渡しと代金の支払いとを同時に行うことが大原則とされています。そして、相手が代金の支払いを要求してきても、相手が物の引渡しをしない限りこちらは代金支払いの要求を拒めることができます。これを「同時履行の抗弁権」と呼んでいます。
 日常の売買では契約と同時に物と代金との交換が行われるために問題が発生することはありません。しかし、ネットなどの遠隔地売買の場合には契約と現実の決済との間に時間差が生れます。先履行の危険性を意識していないと、問題が発生する恐れがあるのです。
 設問の場合には、当然物の引渡しをしない限りは代金の支払いに応じられませんと回答すればよいでしょう。
 それでも、売主が代金支払要求に固執するのであれば、契約の解除をして契約をご破算にすることが無難でしょう。