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ココラ52回目 自由の怖さ

私は勤務先の会社で経理業務をしていますが、先日社長から会社のお金を横領しただろうと言われ、連日追及されています。身に覚えがないのですが疲れてしまい、横領したと認めて会社をやめようかとも思います。どうしたらいいでしょうか。

刑事事件で被疑者或は被告人が犯罪事実を認めることを「自白」といいます。
 実際は何もしていないのに警察に「やっただろう?」と厳しく追及されて自白してしまう事件が少なくありません。
 一旦自白したことを撤回して無罪にすることは容易なことではありません。それなのになぜ人は容易に自白するのでしょうか。これは、実際に被疑者や被告人として事件に巻き込まれた人ではないとわかりません。
 執拗な追及に身も心も疲れ果ててそれから逃れたいという現実の要求と自白によって被る将来的な不利益とを天秤にかけた場合、前者の要求は現実的であるのに対し後者の不利益はいまだ現実性がありません。そのために今の苦難を逃れたいという要求が勝り、容易に自白してしまうものと思われます。
 あなたも、同じ状況に置かれています。
 ここで横領の事実を認めたら、会社に損害賠償を求められ、最悪の場合は警察宛に告訴されるかもしれません。
 安易に自白することは何の解決にもなりまさせん。自分だけで判断しないで友人や専門家のアドバイスを求めてください。