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ココラ72回目 限定承認

父が死亡しました。父には自宅(評価額100万円)があり私も同居していました。自宅を相続で取得したいのですが、父には多額の負債(500万円)もあるようです。どうしたらいいのでしょうか。

相続は、死亡した人(被相続人)のプラスの資産もマイナスの債務もすべて引き継ぎます。ただし、債務を引き継ぐ場合には、被相続人の資産だけでなく相続人の固有の財産で支払をしなければならないこともあります。 
 負債を引き継ぎたくないのであれば、相続放棄という手段があります。しかし、この放棄を選択すると、負債を手放すことができると同時に資産も手放すということになります。つまり、資産だけ取得して負債は引き継がないという都合のいい手段はないのです。
 ただし、限定承認という方法があります。これは、資産を引き継ぐが、債務の支払は引き継いだ被相続人の資産の限度で責任を負い、相続人固有の資産で責任を負わないという「限定」条件付で相続を承認するというものです。
 設例で限定承認を選択する場合、債権者には自宅を処分した代金の支払いをすればそれで済み、その余の負債について相続人が自腹を切って支払う必要はありません。また、どうしても自宅を取得したいのであれば、適正な評価額で自己の資金で買取ることも可能です。