破産手続を弁護士に依頼してから破産手続が終了するまでどのようなことをするのでしょうか。

2018.10.28

破産手続を弁護士に依頼してから破産手続が終了するまでどのようなことをするのでしょうか。また、破産手続に要する期間はどの程度でしょうか。

破産者にめぼしい財産がなく(お金に換える程度の財産がない)借金をした事情に問題がない(免責不許可事由がない)場合には迅速に破産手続が進行することとなります。通常の破産手続の場合、破産者の財産を換価して配当するために破産管財人が選任されますが、上記の場合にはそのような手続がありません。破産手続が開始されると同時に何もする仕事がないので破産手続を廃止することになります。これを、実務では同時廃止事件(略して「同廃事件」)などと呼んでいます。同時廃止事件の場合は、弁護士に依頼をしてから免責決定までおおよそ3ヶ月から半年程度の期間を要します。同時廃止事件の進行は以下の通りとなります。

1 破産申立のための準備(半月から1ヶ月程度)
① 依頼人の債権者に対して、弁護士が依頼を受けて破産申立をする旨の通知(受任通知)をして債権が存在する旨の資料の送付を要請します。受任通知の送付は、依頼者がサラ金などの債権者からの執拗な取立てから解放されて生活の平穏を取り戻すためにも意味があります。
②依頼人から破産申立に至るまでの生活事情を聴取したり、資産の有無について聞き取り、それらに関する資料を準備します。

2 破産申立→審尋→破産手続開始決定・破産手続廃止決定(破産申立から開始決定まで1ヶ月程度)
資料が揃った時点で破産の申立をします。この申立には免責の申立も含まれています。申立があると、裁判所は申立人に対して審尋をした上で破産手続の開始決定をします。この場合、破産者にめぼしい財産がなければ同時に破産手続を廃止する決定をします。

3 免責に関する意見申述期間→免責或いは免責不許可決定(免責決定まで2~3ヶ月)
その後、裁判所は、破産債権者の意見を聞くために意見申述のための期間を設けます。この期間は1ヶ月以上と定められています。この期間に債権者からの意見がなく、仮にあったとしても免責不許可に影響しないような場合には、期間経過後に裁判所は免責許可の決定をすることとなります。