雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

高橋ユキ 『つけびの村』

2019.12.09

 本の感想ってのは読んでから書くんでしょうが、最近は書くことがないので読んでいる最中から紹介させていただきます。
 高橋ユキ『つけびの村』(晶文社)
 これは、2013年夏に山口県周南市の人口僅か12人の集落で起きた5人の殺人事件を追跡したルポルタージュです。平成の八つ墓村事件かと思った人も多いはず。事件当時は男性の自宅のガラス窓に「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という異様な張り紙があり、それが一層奇怪さをあおりました。
 まだ全体の半分を読んだくらいですが、なんかUターンして帰ってきた男が田舎になじめず、周りからいろいろな噂をされて追い込まれて自分を追い込んだ人たちを殺害することになってしまったという流れのようです。
 ボクもUターン組の一人であり、犯人の置かれた環境やおそらくはその対人感情の行き違いなどは何となくわかります。いろいろな思いを抱えて故郷に帰りながらも周りになじむことができず孤立してしまい追い込まれる。真面目であればあるほど思いつめると取り返しがつかないところまで行ってしまう。決して他人事とは思えません。筆者がどういう風にこの事件に突っ込みを入れていくのか、後半の内容が楽しみです。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍