1月14日 スタイルアサヒ「診療所の窓辺から」

「スタイルアサヒ」というのは、朝日新聞定期購読者に配布される拡販紙です。そこに医師の小笠原望さんが「診療所の窓辺から」というエッセイを連載されています。描かれているのは、常に高齢者を対象とした在宅医療や介護をめぐる家族のやりとりです。介護は誰でもが直面する身近な問題であるため、連載も長期になり、単行本化もされたようです。
今月号は、在宅介護の限界について言及されています。99歳の母親のことを思って在宅介護を続けていた娘。でも娘は疲れ果てて限界になり、母親が介護施設に入所することになった。ところが施設入所の日体調を崩し、母親はそのまま病院に入院して一週間でなくなった。小笠原さんは、それでいいんだという。「臨終の場が家でなくてもいい。それまでの過程が大切なのだといつも感じてきた。看取りは死の瞬間ではない」
99歳にこそまだ到達していないが、我が家にも高齢者がいる。どこまで家で生活できるのか、介護する者が疲れても家で生活したいというのかな、不安は尽きない。そういう自分のようなものには、先生のお話は心に染みる。だから、長期連載になっているのだろう。