雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

1月31日 せめて一日歩き通してへとへとになってみたいと不謹慎にも考えた。

2020.01.31

 ボクはまだ国選弁護の事件をやっている。「まだ」とつけたのは、ベテランになるとやらなくなる人もいるからだ。上越地域の場合、私が来た15年前の頃は弁護士が5名くらいしかおらず国選弁護を引き受けないということなどありえなかった。しかし、時代は変わり、弁護士も20名を超えた。引き受けないという選択肢もある。私よりも若い人でも国選弁護を引き受けないという弁護士がいる。でも、まあボクはやっている。なんで?余り高尚なことは考えていない。被告人になってしまった方の話を聞くのがおもしろいからかもしれない。
 最近、ホームレスの人の刑事弁護人を引き受けた。生活の場を失って福島から茨城まで4日間何も食わずに歩きとおしたという。もう腹もすきまくり、仕方がなくなって神社のさい銭を盗んでしまった。
 弁護人の席にいて、ふと「4日間歩きとおす」なんてうらやましいなあと不謹慎なことを考えた。最近、1時間だって続けて歩いたことないんじゃないか。せめて一日くらいすべて忘れてへとへとになるくらい歩いてみたい。事務所を出発してどこまで行けるかな?糸魚川までくらいは行けるかな?そんなことをふと考えてしまっていた。

馬場秀幸  カテゴリー:その他