雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月17日 何のために働くのか?

2020.10.17

 新潟の共同事務所にいた頃の話。事務所会議で「何のために働くのか?」と話題になって、さて何と回答しようかと思ったら、ある職員さんが「生活の糧を得るためです」とあっさり答えた。
 「社会のため」とかカッコいい回答を準備していた自分にとっては、その内容というのは、現金すぎて何の夢もなくつまらない回答のように思った。
 しかし、それなりに社会で働いて家族もできると、その回答というのは何ともストレートでステキな響きのあるものとして、今は思い直している。そう、私たちが働くのは、働いてその対価を得ることで生活を続けていこうとするからである。働くことにそれなりの意味はあるけれど、それは対価を得たうえでのの話である。
 最高裁は、郵政労働者のいくつかの手当てについて非正規の労働者を正規労働者と同様に扱うことを命じた。
 労働者は、生活するに足りる充分な給与と安定とを求めている。しかし、日本の現状は、非正規労働者が雇用期間を限定されて不安定な立場に置かれ、又賃金の諸手当で差別的な待遇を受けている。せめて同じ労働であれば同じ対価を支払えということになるだろう。当然の判決だと思う。
 

馬場秀幸  カテゴリー:その他