雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

11月17日 墓守1号、2号

2020.11.17

 小さい頃から、おまえは長男なのだから家を継げと言われてきた。
 家業の農業は継げなかったが、いろいろ考えて実家に住むことを決めた。我が家の敷地には墓がある。自分は墓守になって家族や親戚、地元の付き合いは続けていこうと決めた。それは自分で決めたことなので何の悔いもない。
 ところで。
 小学6年の時に自分の祖父がなくなった。身近な人の死は初めてで悲しかった。その時、年の離れたいとこの男性が葬式か何かの帰り道、自分を軽トラに乗っけながら、「おじいちゃんは空の星になってるはずだよ」と慰めてくれた。無性に悲しい時は他人がいてくれて悲しさをまぎらわせてくれる。葬儀の時に人々が集まってくれるのはそういうことなのだ。
 そのいとこがボクが地元に戻ってきた頃に病気で亡くなった。最後の見舞いに出向いたとき、「家と子どもをよろしく頼む」とお願いされた。それが最後だった。いとこには長男がいた。いとこがなくなった時、長男はまだ高校生だった。
 それから時は過ぎて、又用事があって、その亡くなったいとこの家に行った。
 玄関で声を出すと、大人になった長男が出てきてくれて挨拶してくれた。その姿がいとこにそっくりで、うれしくなった。
 いとこの遺言通りの役柄を果たしているとはいえないが、いとこの長男と付き合いができているのがうれしい。
 そして、長男もいとこの家を継いで生きている。自分が墓守1号としたら、いとこの長男は墓守2号かな、なんてそんなくだらないことを考えた。

馬場秀幸  カテゴリー:その他