雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

11月6日 お客さんとの意思疎通がうまくいかない。

2022.11.06

 お客さんとの意思疎通がうまくいかないことがよくある。
 自分は気が短いこともあって、あなたは何でわかってくれないのという思いが顔に出る。そういう態度をお客さんに批判されようものなら、頬のあたりがひくひくする。あまり、客商売には向いていない。
 でも、どうしてそうなってしまうのかと思うと、お客さんは当然素人だから知らないことがたくさんある、疑問に思うこともたくさんある、それに自分が完璧に答えていなかった、ということが最近ようやくわかってきた。
 例えば、最近の例だが、遺産分割調停で調停に代わる審判を出してもらった。当然、私も、依頼者も審判の内容にあらかじめ納得したうえでのものだった(と少なくとも私はそう思っていた)。
 ところが、依頼者は、審判に納得せず、異議を出してくれと言ってきた。納得したはずなのに異議なんて出したら、裁判所に対する自分のメンツ丸つぶれである。依頼者と話をしたが納得してくれない。結局異議を出さざるを得なかった。
 再度の調停で調停室で2時間くらい、審判官も交えて依頼者の疑問に答えた。結果として調停がまとまった。
 考えてみれば、裁判所というのは依頼者にとっては初めての経験で、知らないことばかりである。疑問を出して当然だが、おそらくは弁護士「先生」に遠慮して言いたいことも我慢しているのだろう。何か言われても冷静に答える努力が必要だ。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事