12月25日 吉高由里子の『最愛』
コロナ禍の息抜きはテレビドラマを観ることです。
10月から始まった吉高由里子主演のTBSドラマ『最愛』。よかったです。
田舎から都会に出て製薬会社の社長になって成功する真田梨央。社長になったのに、庶民的なアパートに住み、弟を愛し、田舎を忘れない。そこがいいですね。
そして、弁護士の加瀬賢一郎。梨央と弟を守り抜こうとして奮闘します。弁護士の観点からみて凄いなあと思ったのは、梨央の弟の優が殺人罪の疑いで逮捕勾留されていたときの捜査弁護の姿勢です。警察署にずうっと待機して、絶えず接見を申し入れたりして自白が取れないように取り調べを牽制する。企業お抱えの弁護士でなければできないよなあと思います。
最終回で、加瀬が結果的に三つの事件に関わっていたことがわかります。
一つ目は、大学の寮で梨央を強姦した渡辺という大学生を、弟の優が殺してしまう。その現場をみた梨央の父親が事件を隠そうして渡辺の死体を遺棄することに加担してしまうという事件。
二つ目は、息子の事件の犯人を捜そうとしていた渡辺の父親を池に突き落として殺してしまった事件。
三つ目は、渡辺殺しの件や梨央の会社の不正をつかんだフリーライターがビルから転落死した事件。
すべては、梨央と優の姉弟を守るために関わったのでした。ただし、冷静に考えれば、警察に事情を話せばよくて死体遺棄をする必要まではないんじゃないかとか、二つ目の事件は、事情はわかるが、口封じのために殺すことまでは必要ないだろうと思います。脚本は緻密過ぎてやや不自然な部分が散見されたのです。しかし、こういうストーリーのぎこちなさを、加瀬を演ずる井浦の飄々とした演技が忘れさせてくれました。
吉高、井浦、凄いコンビだなあ。どんなドラマも、見応えのあるものにしてくれる。