3月16日 観たい映画に読みたい本その5 ブレイディみかこと『イエスの生涯』
朝日新聞の3月14日のbe on Staturdayの一面の「フロントランナー」はブレイディみかこさん。
家は裕福ではなかった。親は交通費のかからない近所の高校でいいといったが、中学の先生の勧めで私立高校に進学した。高校では通学定期を買うためにバイトをしていたが、それが高校にバレてとがめられる。
高校では「不良」。
そんな不良少女が、高校時代、遠藤周作の『イエスの生涯』を読んで号泣した。遠藤は、イエスは奇蹟なんか起こせなかった、つらい目に遭い、泣いている人たちに寄り添っただけだ、と書いている。それを読んで彼女は「そんなイエスなら信じられると思った。救われる気がしたんです」という。
ロンドンの貧困地域の無料託児所で働いて移民の増加、人種差別、貧困問題が複雑に絡み合う底辺の社会をそのままにすべて受け入れてきた。そんな彼女の姿勢は、『イエスの生涯』にルーツがあるのかもしれない。