雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

3月28日 ロシアのウクライナ侵攻から考える⑥ 朝鮮有事や台湾有事のこと。

2022.03.28

 次のことはこの前の講演会で話したことだ。
 ウクライナ侵攻を目の当たりにして、日本では中国が台湾に戦争を仕掛けてきた場合のことが議論されている。
 例えば、北朝鮮のこと。北朝鮮が最近アメリカ大陸に届く長距離ミサイルを日本海に向けて発射したとの報道があった。日本にとっては危険なのだが、いろいろな識者の話を聞いたり読んだりしてみると、結局北朝鮮は、「アメリカから」イラクのように政権をつぶされては困る、アメリカに届くミサイルを見せつけて、攻撃する前にこっちだってアメリカを攻撃できるんだぞと威嚇して攻撃を抑止して、自分たちの体制を保証してもらうことを考えている。余り、日本なんて眼中にない。そうであれば、日本としては、アメリカが攻撃しないように二つの国の間に入ることがいいのではないか。北朝鮮に向けたミサイルなどを日本に配備しようものならかえって逆効果なんではないだろうか。
 最近は、中国が台湾に侵攻するかもしれないと言われている。それが実行されれば、アメリカはその戦争に介入する。そうすれば嘉手納基地が出撃基地、つまり沖縄が兵站基地になる。日本も戦争に巻き込まれることは必至である。日本に米軍基地をもっていることが戦争の巻き込まれるというリスク要因になる。そうならないためには、中国にバカなことをするなと日本が言う他ないだろう。それが確実な安全保障政策だと思う。
 武器をもてば、自国の不安を拭うことはできるが、それは他国に不安を与えることになる。そして、他国はさらに有利な武器をもとうとする。これは安全保障のジレンマと言われている。そんな軍拡競争をするよりも、外交や民間交流で緊張の緩和を働きかけることのほうが重要なのではないかと思う。

馬場秀幸  カテゴリー:その他