雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

3月8日 事件の本質をつかむのには時間がかかることもある。

2021.03.08

 昔の民事裁判の審理は五月雨式裁判と言われていました。原告訴訟代理人が訴状を出して、口頭弁論期日当日に被告の答弁書が出され、次の口頭弁論期日に原告の準備書面が提出され、これを延々と繰り返すのです。さすがに、迅速な解決という観点から民事訴訟法改正がなされ、争点整理手続き、集中証拠調べが導入され、民事裁判の審理期間も短くなってきました。 
 事件の解決が早いことがいいのはわかるんですが。そうは言っても当事者の言い分を聞くのに時間がかかる事件もあるんです。何度も同じことを聞いているんですが、なかなか理解できない。相手方とああだこうだという議論をして、そうこうしているうちに2年も経過してやっと当事者の言うことがわかった。そんな事件がありました。
 「そうか、そういうことだったのか!」やっと事件の核心を掴んだという気持ちです。
 五月雨裁判は避けたいところですが、納得した結論を得るためにはある程度の時間は必要かもしれません。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事