「どうしてこんな相手と交際して結婚してしまったの？」
　離婚の相談の時に相談者が私に向かって離婚に至る経緯や相手のことをいろいろ言って一息ついたころに私が相手に問いかける言葉です。
　相談者はおそらく不快に思うかもしれません。それを承知で質問します。
　理由は、その質問をきっかけにして、相談者も落ち着いて事件を見つめなおすことができる「かもしれない」と思うからです。離婚の相談の場合、相手方をどうしても悪く言う傾向があります。でも、その悪い奴と結婚してしまったというのもなんかバツの悪い話です。それに気づいてもらえば、気持ちも少しは落ち着くでしょう。
　そして、落ち着いた気持ちで事件を語ってほしいのです。熱くなることも大事ですが、落ち着いて考えることも事件の解決には必要だからです。