4月22日 今年の参議院議員選挙はどうなる➁
32の一人区の勝敗が参議院選挙の帰趨を決める。
野党が勝つためには野党共闘が必要である。しかし、昨年の衆議院選挙では、立憲民主党に対して共産党と共闘したから票が逃げたという分析がされた。それが尾を引いて、野党の闘い方がはっきりしてこない。
立憲から票は逃げたのか?
立憲は2017年希望の党による民進党分裂騒動で誕生した。17年総選挙では比例で19.88%をとって躍進。しかし、19年参院選での比例は15.81%。20年9月には立憲と国民、無所属議員の大合流が実現したが、立憲の支持率は低迷し、20年1月以降は3~7%(朝日新聞の世論調査)を行き来していた。
実は、立憲が共産党と政権共闘の合意をしたという後も支持率は7%にとどまっていた。総選挙後は9%である。それをグラフ化したのが下の図である。数値は朝日新聞の世論調査のものを拾った。これからすると、少なくとも、共産党と共闘したから票が逃げて支持率が低下したとはいえない。
特徴的なのは、選挙直前の日本維新の会の伸びである。票は立憲や共産党にはこないで維新にいったということである。本来くるべき票だったのに維新にいったということになれば「逃げた」ともいえる。しかし、正確には立憲には「来なかった」、立憲と共産党には風が吹かなかったというのが正確なのではないだろうか?
では、立憲が共産党と組まずに維新と共闘すれば、立憲の票は伸びるのか?
立憲が維新と組むということは、自民党に対抗する保守政党を作ることになる。それは選択肢の一つだろうが、それを選択することは、立憲民主党の結党精神をぼかすことに直結する。立憲には本当に難しいことだろうが、自分たちの立ち位置はいったいどこにあるのだろうかと考える他ない。