雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

4月3日 井戸謙一「警察は組織として彼女の恋心を利用した」

2020.04.03

 西山美香さん再審無罪。
 西山さんは、自分を担当した若い刑事に恋心を抱き、その刑事の関心を引こうとした。担当刑事も彼女の『恋心』を利用して都合のいい自白を作った。警察は一度有罪と思い込んだらなんでもする。捜査のために「恋心」まで利用する。日本の刑事捜査は恐ろしい。これはその捜査を体験したものでないと本当にわからない。

 ところで、西山さんの再審無罪の弁護団長が井戸さん。元裁判官。金沢地裁では裁判長として原発の運転差し止め判決を言い渡した。その井戸さん、弁護を依頼されたとき「断りたい」と思ったとか。井戸さんは弁護を引き受けた理由を次のように語った。
 「外形的な経緯だけを見ると正直なところ、とても再審請求が通るとは思えませんでした」それでも弁護を引き受けたのは、西山さんの両親が滋賀県内の弁護士事務所を次々と訪ねて弁護を依頼してもすべて断られた。でも、「本人や両親が無実だと訴えている以上、だれかが弁護をしなければならないと思いました」(朝日新聞020.4.1)。
 さて、自分がこういう状況に出くわしたらどういう対応をするのだろうか?

馬場秀幸  カテゴリー:仕事