4月6日 泥のついた1万円札
俳優の田中邦衛さんが逝かれました。
新潟日報(4月4日付)の日報抄に「北の国から」の名シーンのことが書かれていました。泥のついた1万円札の名場面です。「北の国から ’87初恋」のラストシーンでした。
北海道・富良野の中学を卒業し上京する黒板純(吉岡秀隆)。父親の五郎(田中邦衛)は知り合いのトラック運転手(古尾谷雅人)に、東京まで乗せてやってほしいと頼む。出発後、運転手がフロントガラスの前に置かれた封筒をあごで指して「オラは受け取れん」と純に言う。純が開けると、中には泥のついた1万円札が2枚。「おやじの手についてた泥だろう。お前の宝にしろ。一生とっとけ」。
親の武骨な愛情が伝わってくる。お金が労働の結晶であることをも鮮やかに描き切っていましたよね。
似たようなシーン、誰の人生にでも1度や2度あるんじゃないでしょうか?
私もありましたよ。親父がオレのことをかわいそうだと思ってお金を差し出してくれたんですが、親の期待に応えられない自分が情けなくて受け取れないみたいなね。
田中邦衛さん。昭和のオヤジを代表する方でした。