雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月7日 子どものいじめにどう向き合えばいいんだろう?

2022.05.07

 自閉症の子のお母さんから聞いた話だ。
 子どもの足にしょっちゅうあざができていたので、子どもに何かあったのかと聞いたが、子どもは「気がつかなかった」とか「転んだ」とか言っていたからいじめにまったく気づくこともなかった。でも、今回は超特大の青あざがあった。子どもに聞いても何も言わない。仕方ないので担任の先生に話をした。そうしたら担任の先生が同級生の子たちに確認してくれた。数人の同級生が子どもが蹴られているところを目撃したと言ったという。それでやっといじめの事実がわかった、何で今まで気が付くことができなかったんだろう、とそのお母さんは悔やんでいた。
 いじめられていたとしても、子どもはその事実をなかなか言わない。親に心配をかけたくない。憐れんでもほしくない。自分にもプライドがあるからだ。だから、気づくのが手遅れになるのはよくないが、遅くなっても自分を責める必要はないんじゃないか。むしろ、我慢した子を褒めてあげればいい。

 いじめなのかは今となってはわからないがボクにも経験がある。
 小学生だったころ、ボクは他の同級生から「おまえはもうすぐ死ぬんだ、おまえのばあちゃんが学校に来て先生に話しているのをみかけたよ」と言われたことがあった。そのときばかりは地の底が抜けたように悲しさに襲われて、ボクは泣きながら家に帰った。普通の子なら冗談だと思ったかもしれない。しかし、当時の自分には慢性的な持病があったから、その話が真実だと思ったのである。泣きながら自宅に戻り、その話を祖母に伝えた。そうしたら、祖母はすぐさまその事実を否定し、学校に電話をしてくれて先生に抗議をしてくれた(後日、その同級生は先生からこっぴどく叱られた)。この時の電話で抗議をした祖母の姿を心底頼もしいと思った。
 大事なのは、親としていじめに気づいたら、倍返しするくらいの勢いで加害者たちに怒りを表現することだろう。

馬場秀幸  カテゴリー:その他