7月10日 せめて親の責任くらいは果たしてほしいと思うのだが。
婚姻が破綻した夫婦間の係争で、夫が自分の生活や多額の借金があることを理由に婚姻費用や養育費の支払を拒否している事件に遭遇している。
せめて親の責任くらいは果たしてほしいと思う。
家裁の実務では、養育費は夫と妻の収入を勘案して決められる。収入相応の額が決められる。つまり、低収入であれば養育費も低い額になる。また、支払時期も子が成人になるまでの期間である。その程度の支払は親の責任として当然だと思うのだが。
養育費は、当事者で取り決めがなされればそれで有効になる。取り決めがない場合は家裁の調停を利用してまとめることもできるし、調停でダメであれば、家裁の審判で決定することができる。
日本の場合、子の親権者は母親になる場合がある。ただし、母親が父親から養育費を受けている率は24%程度である。支払がされていない場合、強制執行することが可能だが、父親にそもそも資産がなかったりすると取るものがない。また、父親からの暴力などを怖れて取り決めをしない、或いは請求をあきらめるという場合もあるようだ。支払をしないことについては罰則がない。ただし、諸外国の立法例をみると、支払を怠ったものに刑事罰を科する場合もあるようだ。
養育費についての日本の法制度は緩すぎるのではないかと思う。