7月12日 最高裁 夫婦別姓認めず その4
別姓に反対する人は、夫婦同姓が「日本の伝統」であるという。
しかし、どうもそうではないらしい。
江戸時代、名字を持っていたのは武士以上の階級に属する人々だけだったが、武家の女性は結婚後も、実家の名字を名乗っていた、明示になって平民にも名字の使用が許可されたが、当初は妻は嫁入り後も「生家の氏」をとなえるべきものと定められた。夫婦同姓が導入されたのは、明治31(1898)年。明治民法が「妻は婚姻によりて夫の家に入り」「その家を称す」と定められた(中村敏子「同姓は「伝統」とはいえない」朝日21.7.6)。これは、中村さんによれば、「夫婦一体」という結婚観によって同姓を強制していた西洋の影響が大きい、とのことである。これでは「伝統」とはいえないだろう。
この前も、いつか必ず夫婦別姓は実現するだろう、と書いた。それは、日本や世界のいたるところで女性の社会進出が進み、個人の尊重が実践されていくことは間違いがなく、「夫婦別姓」を意味がないだけでなく個人の活動の妨げになることを多くの人たちが感じざるを得なくなっていくからである。