雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

7月11日 高田世界館でポン・ジュノ『吠える犬は噛まない』

2020.07.11

 高田世界館の特集上映「鬼才 ポン・ジュノの世界!」第2作目。また観てきてしまいました。
 郊外のマンションに住む大学教員の話。。
 なかなか教授になれず家でも肩身が狭い。腹いせにマンション内で他人が飼っていた犬を地下室に閉じ込めたり、屋上から放り投げる。この男性、どうも犬が嫌いなようだところが、ある日妻が犬を連れてくる。当然、犬の飼育には消極的。妻の指示でイヤイヤ散歩に連れ出すと犬がいなくなってしまう。探したけれど出てこない。家に帰って妻に告白すると、罵倒される。妻曰く、「自分は会社を退職させられた。女はね、妊娠したら職場には入れなくなるんだよ。その退職金の一部で犬を買ったんだ。退職金の残りはあなたのために使おうと思っていたのに・・・。」事の重大さに気づいた男性は必死に失踪した犬を探す。
 日常生活のなんでもないことを面白く描いている。犬を捨ててもすぐに後悔したり、教授になるには賄賂が必要だと言われても資金を用立てる気にもなれず、どこにでもいる小市民的な人間像を描いている。最後に自分が犬を放り投げた犯人だということを自白する姿、又、電車の中で物乞いをする幼子をおんぶした母親にお金をそっと渡す姿に何となく救われる。そこに描き出されているのは自分のような気になる。
 絶賛上映中。是非、高田世界館に足を運んでください。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍