8月14日 京アニの「聲の形」を観る
今年の4月頃にNHKのBSプレミアムシネマで放映されて録画していたものを観ました。
物語は、とある小学校に西宮硝子という聾唖者が転校してきた。西宮の時々発する声がおかしく聞こえたり、ノートで会話しようとする姿勢が疎まれたりして、西村には補聴器を捨てられたりのイジメを受けていた。そのイジメの中心に石田将也がいた。ところが、西宮へのイジメが学校にわかり、先生側から生徒たちが追及されるようになると、イジメの責任が一人石田にのみ負わされるようになり、しかも石田はクラス仲間から無視され、新たないじめの標的にされた。掌を返された石田に西宮は同情するが、石田と西宮とはわかりあえず西宮は転校していった。 ところが数年後ふとしたことがきっかけで、高校生になっていた石田は西宮と再会し、少しづつ関係を修復していく。こんな内容の物語です。
障害者に対するイジメの惨さ、人間同士が気持ちを通じ合うことのむつかしさ、などいろいろなことを考えさせられますが、私は、過ちを犯した人間はやり直しの機会を認めてもらえるのかという観点から観させていただきました。
石田は、小学校時代に掌返しにあったせいで極度の人間不信に陥り、それが尾を引いて高校に行っても友だちすらいませんでした。その中で西宮に再会し、過去にした西宮へのいじめを後悔し、西宮に赦しを求めようとする。しかし、それは簡単にいくわけではなく、石田の過去を知っている人間が、石田の西宮への行動を揶揄したり、妨げようとしたりして、物語は展開します。
私は、やり直しは絶対できるという立場ですが、現実は甘くない。過去をひきずりながらそれを乗り越えて生きるってことは大変だ!
石田や西宮だけでなくその周りの人間の心の動きまでが緻密に描かれています。そして、正義の味方もいなければ本当のワルもいない。そこに描かれているのは生身の人間。アニメだけど、リアルな現実に悩むリアルな人々を描きだす。だから、この映画、たくさんの人たちから支持されているのだと思いました。