おなご先生のこと
小学校1、2年の時の担任だった先生の訃報に接しました。
私が在籍したのは田舎の小学校で、クラスは1クラスのみ。生徒は26人。担任の先生は30歳のおなご先生でした。今から思うと私たちのクラスは映画「二十四の瞳」のようでした。
先生のことで思い出されるのは、読書感想文です。読書をして一つの物語につき一つの読書感想文を書く。これが毎日の宿題になっていました。
私は、体が弱かったので外で遊ぶよりも、自宅で本を読む方が好きな人間でした。感想文を書くと先生がほめてくれました。
学校の図書室に『日本のむかしばなし』(題名は定かではありません)という本がありました。昔話の短編集で一つ一つのストーリーは短いのです。他人よりも多く感想文を書けば褒められると思って、とにかく一つ読み終えるごとに一つ感想文を書きました。今、その頃の自分をせこい奴だなあと笑えます。先生もおそらくそう思っていたと思います。
それでも、この習慣のお蔭で本をたくさん読むことができたし、文章を書く習慣もできました。このおなご先生に教えていただいてよかったと思っています。