子どものホントの気持ちなんてわからない
子の親権や監護権をめぐる争いでは、子どもの意向調査がされる。子どもも「人間」として尊重されなければならない。だから父と母のどちらで生活することを希望するか。これを聴取することは当然だ。
しかし、子どもの真意を適切に把握するのは簡単なようで困難だ。子どもは親の考えに影響されやすい。例えば、私は、中学への進学の際、地元の中学よりも街場の進学校に行きたいという気持ちをもっていた。しかし、親は地元の中学に進学するのが当然という考えで、親に対して自分の進学への思いを言葉に出すことすらできなかった。
親権や監護権をめぐる事件でも同じことがいえる。現在監護してくれている親の意見に影響されて、子どもが離れた親の対応を非難することもある。本当にそう思っているのだろうか。単に監護親に遠慮していだけではないのか?
子どものホントの気持ちなんてなかなかわからない。そんな謙虚な姿勢が子どもの意向調査には必要だと思う。