12月1日 持てば使いたくなるのが人の性
「宝の持ち腐れ」という言葉がある。腐るくらいなら使ったほうがいいというのが普通の人たちの感覚だ。
政府が敵基地能力を認め、それに見合う防衛力の増強に踏み出した。「専守防衛」とか「必要最小限度の自衛」とか今までの憲法9条の理念を吹き飛ばす話になってきた。
武力を持つと言っても、抑止力のためだとか、それでも専守防衛の理念からはずれないとかいろんな屁理屈がまた並べ立てられるだろう。しかし、敵基地を攻撃できるのであれば、相手国に届くようなミサイルを持つことが許され、現実に増額した予算でそれを購入して配備することになるのだろう。
持っていれば使いたくなる。それが人の性だろう。
アメリカでも銃を持つことが許される。身に危険が及ぶと思えば銃を撃つ。撃っても正当防衛で免責される。人を殺すということには変わりはないのに、ちょっとした見込み違いで殺人になったり、無罪になったりする。
国の場合も同じだろう。積極的な攻撃と自衛による反撃とは紙一重になる。そして、いつも戦争は「自衛」を大義名分にして始められてきた。私は、もちろん、武力の際限ない増大に反対する。