12月20日 事実を聞き取ることの難しさ
女性にいきなり刃物をつきつけて傷害罪で起訴された男性の事件があった。
接見で面会しても何も答えてくれない。自分はどうなってもいいんだという。奇妙な事件だった。捜査側の調書を読んでも何も書いていない。本人に話を聞いても何も答えてくれない。
ところが、公判で被告人質問をしたら、サービス業で働いていたが、接客が苦手で、それを理由に先輩に毎日のように殴られて、もう人生がイヤになって家出して、自暴自棄になって女性を刺してしまったというのである。
もう少し早くわかっていたら、情状立証も工夫ができたのにと思うと悔いが残った。捜査機関の後追いだけでは真相がわからないこともある。