雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

2月16日 刑事弁護 最近の弁護事件の状況

2022.02.16

 どういうわけか、年末から私選で4件弁護事件を引き受けた。その内、身柄事件は二つ。
 身柄事件はというのは、被疑者が勾留されている状況での事件を言う。勾留期間は最大で23日間。被疑者は警察や拘置所の勾留施設から少しでも早く釈放されたい。できれば、裁判をせずに不起訴処分での結論がほしい。弁護人は短期間のうちにきちっとした結論を出さないといけない。
 依頼を受けた場合には、被疑者に面会し、事件の経緯や逮捕された経緯を聞いた上で罪を認めるのかどうかを確認する。そして、弁護人選任届に署名してもらい検察庁に提出する。
 早い段階で弁護方針を決める。否認を貫くかどうかの場合には、否認するデメリットを説明して被疑者の理解を得る。罪を認める場合、被害者のいる事件であれば、早期に被害者と交渉をして示談ができるように努力する。 
 こちらの事件に対する見込みを検察官に伝えて相手の見解を聞くこともある。検察官は公益の代表者であるから、被疑者の話も聞いてくれる。また、検察官なりの見通しも伝えてくれるから、弁護の目標も立てやすくなる。
 被害者との示談の場合は、とりあえずは被疑者の言い分はおいといて、被害者の話に耳を傾けることが必要だろう。被害者と論争して被害者の感情を悪化させるのでは不起訴などの処分を得ることが困難になる。
 こういうことをするから、弁護士の仕事の中でも、中身の濃い短期集中業務となる。
 結果として、否認を貫いて嫌疑不十分などで不起訴処分、示談ができて起訴猶予になってお客さんが事務所に挨拶に来てくれた時には、遣り甲斐を感じる。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事