雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

5月31日 高田世界館で「山中静夫の尊厳死」を観る その2

2021.05.31

 「山中静夫の尊厳死」の続きです。
 静夫さんは、信州の病院の勤務医に、「最期は故郷の山を観て死にたい」と切々に訴えます。
 静夫さんは、静岡の妻の実家に婿に入り、家族のためにもくもくと働いてきた。定年退職してこれからは自分の人生を楽しく生きるって決意したときに末期の肺がんになっていることがわかってしまった、最期くらいは自分の思うように生きたい、と言うのです。

 自分らしく生きたいというのは、誰にでもある願いと思います。でも、それは会社に雇用されている身分ではなかなか難しい。日本の多くの方々は、定年退職と年金受給によってやとわれの身分から解放されて自由になる。もしかしたら、人生の至福の時かもしれません。

 だからこそ、定年を延ばし、年給支給年齢を引き上げるというのは、人生の最期の至福の時を奪ってしまうことになる。いくら日本の国の財政事情が厳しいと言っても、簡単には賛成できませんよね。静夫さんの決断を観ながらこんなことを考えていました。

馬場秀幸  カテゴリー:書籍・映画