9月20日 相手のことを非難する前に自分のことを顧みる。
裁判所での私たち弁護士の仕事は依頼者の言い分を裁判所に理解してもらうことです。
なかなか理解してもらえないときがあります。そういうときは「なんでわかってくれないんだ」と思い、ついついケンカ腰になって口角泡をふかしてしまう。
この前も、婚姻費用の分担の話でまったく裁判所と話が合わない。どうも、こっちはとにかく家計が切羽詰まっているので、婚姻費用の支払をとにかく急いでほしいとお願いするのですが、裁判所(高田以外の裁判所です)は全体的な観点から考えてはどうかといって財産分与の話まで持ち出してくる。今財産分与の話なんで持ち出すことなんておかしいでしょ?と思いながら、裁判所と議論を重ねました。
ところが、期日が終わった後に冷静に考えてみると、私のほうが婚姻費用の分担請求を急ぐ事情を全然説明していなかったっていうのがわかり、一人で赤面してしまいました。
相手が自分のことをわかってくれないときは、人生いろいろあります。私の仕事だけの話ではない。そういうときは、自分も相手にこっちの事情を伝えきる努力をしているのかどうか冷静に考えることも必要なのではないか、と思いました。