雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

ボクは嫌「嫌韓」派~「嫌韓」派は紛争の解決の仕方をわかっているのか?

2019.10.20

 弁護士は紛争を解決することを仕事の一つにしています。私人間の紛争と国際間の紛争とを同一視することはできないでしょうが、共通性もあるんじゃないかと思います。
 1)紛争とは、紛争当事者間の紛争に関する事象への観方が異なることによって発生するもの。
 2)紛争当事者それぞれには、それぞれの「理屈」があり、一方がその「理屈」を振りかざしているだけでは、紛争の解決に繋がらないこと。
 3)「理屈」を振りかざして司法的解決を目指すのでなければ、紛争を円満に解決しようとするのであれば相手方の「理屈」を理解することが必須であること。

 自分が正しいと言っていても、他方の相手も相手自身の考えを正しいと思っているのです。だから、紛争が起こるのです。こういう場合、自己主張だけ貫いていては解決になりません。相手方の「理屈」を理解して紛争の解決を探ることをボクらは無意識にしています。
 もちろん、私人間の紛争の場合には最終的に裁判というシステムがある。また、警察という権力もありますから、裁判の判断には当事者は従わざるを得ない。
 しかし、国と国同士の争いの場合は異なります。国内法に比べれば、国際法の力は甚だしく弱い。警察力も未整備である。紛争当事者間の「理屈」の違いを放置すると、それぞれの国益が害されることになる(これは、韓国人の観光が減少しているとか、日韓の貿易が打撃を受けているなどの現象からわかるはず)。行きつくとことは自力救済という名の戦争ですよね。
 だからこそ、「嫌韓」派の方々には、韓国側の「理屈」を理解してほしいと思います。国同士の解決は和解的解決による方法しかないのですから。仮に日本が強気の交渉をして韓国に頭を下げさせたということになっても、それは韓国の恨みを買うだけでしょう。恨みが続けば、将来において紛争が再燃するのはこれまでの日韓関係の歴史からみても明らかです。

馬場秀幸  カテゴリー:その他