雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

医学部の入試不正には根深いものがある。

2019.09.23

 昨年、私立大学の医学部の入試不正が発覚しました。男性受験者を女性受験者よりも有利に扱っていました。
 これが、不公正なことは明らかですが、この問題、根が深いものがあります。というのも医学部入試は医師になりたいという方々にとっての第一関門にすぎません。
その後医学部を経て国家試験に合格をして医師になるわけですが、医学部での実習や就職の場でも女性が不当な扱いを受けていることを耳にします。 
 女性は出産や育児で現場を離れるケースが多い。これが医学部入試での女性差別の理由とされています。宿直できなかったり途中退職したりすると、周囲が穴を埋めなければならない。だから、女性よりも男性のほうが扱いやすいということなのでしょう。
 でも、これって男性は仕事、女性は家事や育児の負担をすればいいという考え方ですよね。日本は戦後、男女平等を理念にして女性の社会進出を進めてきたのではないですか。これを肯定的にとらえてしまうのであれば、「雇用の機会均等」とか「女性の社会進出」なんていうのはただのかけ声だけということになりはしませんか。
 現状を追認するのではなく、社会の制度を変えるべき。医師として仕事をしたいという女性医師と男性医師とが仕事を分かち合う環境を作るべきだと思います。

馬場秀幸  カテゴリー:仕事