雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

1月9日 敵基地攻撃能力について

2022.01.09

 「敵基地攻撃能力」なんて物騒な言葉がでてきました。要は、他国の軍事基地からミサイルが日本に向かって発射される前にそれを叩いてしまえということなんでしょう。ミサイルとか使用するんでしょうかね。
 これは、もう日本国憲法の9条の専守防衛から外れることは間違いありません。
 積極論者は、相手国が日本を攻撃する場合に限定するわけだからそれを攻撃するのは正当な自衛権の行使で問題ないといいます。
 しかしね。
 私から言わせれば「自衛」と言う言葉がクセものなんですね。日本は「自衛」というが、もしかしたら攻撃しようとする相手の国も、日本がミサイルを向けてきたから自衛のためにミサイルを発射するんだと考えているのかもしれないし。とにかく相手国も自衛なら、日本も自衛、どっちの言い分が正しいのかわからなくなり、軍事力だけが拡大していく。つまり「自衛」というのは軍拡競争を助長するだけだと思うんです。
 どこかで歯止めをかけないと大変なことになる。行きつく先は日本も核武装しようじゃないか、「自衛」のためにねということになる。
 そうならないためには、9条があるということを根拠に、軍事にはお金をかけない、戦争の危険は外交で食い止めるんだという意地と覚悟を表明して実行していくことが必要なんだとボクは思う。
 そういうときに憲法9条は必要だ。今日本が現実には殺傷する武器兵器を保有しているとしても、戦争をしない、軍拡を押しとどめるためにもやっぱり9条は必要なんだとボクは思う。

馬場秀幸  カテゴリー:その他