雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月2日 学ぶこと、科学することが軽んじられていることにもっともっと危機感を。

2020.10.02

 仕事をしていますと、どこまでが人文・社会で、どこまで自然の分野なのかわからなくなってきます。とにかく事実やその背景を追究していかなければいけないんです。おそらくは科学というのは、世の中で生起する様々な事象を合理的な方法をもって認識し分析する作業とでもいうんでしょうか。その対象が人の分野であれば社会「科学」、自然の分野であれば自然「科学」なんだろうと、思っています(あくまで自分流の解釈です)。そこにあるのは「理性」です。
 他方、政治の世界というのは、多数決で決まる。ただし、理性と無関係かというとそうではない。事実の分析なくして正しい政治決断は行われないと思います。だから、政治家も、学問や科学にはその専門性を尊重しなければならないと思います。もちろん、尊重することと批判することとは相反するものではありません。科学者の認識が正確でないと思えば堂々と批判すればいい。相互に批判することにより、もっともっと新しい発見やよりよい判断が生まれてくるかもしれないからです。
 菅首相は、日本学術会議が推薦した会員候補のうち6名の任命を拒否しました。報道によれば、いずれの方も安保法や共謀法などに懸念を表明されていた方でした。煙たいのですかね?この前も書きましたが、菅総理は沖縄県の翁長知事に「私は戦後生まれなものですから、歴史を持ち出されても困りますよ」と言いました。この歴史をみない発言と、今回の任命拒否、奥底でつながっているんではないでしょうか。
 つまり、学問や科学の軽視です。この点では安倍さんも菅さんも全く同じです。国のトップがこうですから、もっともっと危機感をもたなければならないと思います。

馬場秀幸  カテゴリー:その他