雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

10月23日 英首相辞任 見限られるのが早すぎる。

2022.10.23

 少し興味があってイギリスの動き注目しています。
 リズ・トラスという保守党の政治家が首相になったのが1カ月半前。ところが、打ち出した政策がイギリス国内に混乱をもたらした結果、打開策もみつけられず辞任することになりました。すごく驚いています。

 彼女が打ち出したのは、エネルギー料金の高騰に対する生活援助策と富裕層減税。支出を拡大して収入を少なくするわけですから、財源は大丈夫なの?ということで金融市場から批判が沸騰し、株式も債券もポンドもみんな安くなってしまった。富裕層減税をして金持ちを自由に儲けさせて、お金が貧困層にしたたり落ちてくればいいという政策(トリンクルダウン)を考えたのでしょうが、しずくがしたたり落ちてくるのかは日本の経済政策の結果からみても疑問だし、仮に効果があるとしても時間がかかる。今イギリスの国民はこの冬のガス料金の支払いができず、窓を木でふさいだり、石炭や薪を暖房資源にして冬を乗り越えようかと考えるありさまで、富裕層からのおこぼれを期待している悠長な時間などなかった。私のような素人からみても、ホントにおかしな政策でした。

 彼女を選んだ保守党が、彼女を見限るのが早かったというのも驚きました。
 前ジョンソン首相がブレクシットを成し遂げて総選挙で圧勝したのはたしか2年前のこと。議会は保守党が独占しており、総選挙はまだ先のこと。トラス政権の支持率は急降下して労働党と逆転してしまってはいましたが、まだ時間があるので立て直すことも考えられたはず。にもかかわらず、早々と見切りをつけてしまいました。
 原因としては、トラスの党内支持基盤がぜい弱だったこと、又保守党自身も日本の自民党のような岩盤層と言われる強固な支持基盤を持っているわけではなかった、ことなどが言われています。

 まだまだわからないことばかりですが、しばらく注目していきたいです。

馬場秀幸  カテゴリー:その他